第二種電気工事士試験の実施方法は、平成30年度から年度内に上期・下期の2回受験の申し込み(いわゆるダブル受験)ができるようになっています。この実施方法の変更をうまく活用して、上期の受験からスタートし、万一の場合に下期試験を申し込むスケジュールを組むことで、最短で合格を手にする流れを組んでいきましょう。
受験者動向について
今回のテーマは「受験者動向」について。
電気工事士試験の実施方法が平成29年度と平成30年度を境に変更されていますので、その前後で受験者動向がどのように変化しているか、電気技術者試験センターが毎年公表する「電気技術者試験受験者実態調査」から調べてみました。
まず、具体的に実施方法のうち何が変わったのかといえば、「年度に受験できる回数」になります。平成29年度までは、上期・下期試験があっても年1回しか受験が許されていませんでしたが、平成30年度からは年2回受験できるようになり、上期と下期の両方を受験することが可能となりました。
さて、受験者動向ですが、以下のグラフを見ていただきたいと思います。掲載したグラフは、各年度に発表される「電気技術者試験受験者実態調査」のうち、「受験者申込者受験回数」(電工2種の部分)の部分を抜粋したものです。
以降の平成30年度試験から実施方法が変更:年1回➡年2回の受験が可能に
注目したいのは、下期の「2回目」の部分です。
平成28年度、平成29年度ともに差異はありませんが、実施方法変更後にあたる平成30年度以降、令和元年度については、下期試験では2回目の受験申込者の割合が明らかに増加しています。
このことから、新たな実施方法を活用して、上期試験に不運にも不合格となった場合でも、下期試験に申し込みをしてリベンジ(再受験)するといった流れの受験者動向が読み取れます。
なお、同実態調査では、就業者が電気工事士試験を受験する動機についても調査しており、その結果からは各年度とも「資格が必要な職務に就いているため」と回答する方が50%を超えていることから、業務上において最短期間で合格を目指す必要があることも背景の1つかもしれません。
年2回受験できるスケジュールとは
例えば令和3年度のスケジュールを確認してみましょう。
上期は3月1日に受験案内が配布され、3月22日に申込受付開始、筆記試験が5月30日、技能試験が7月17日又は18日、最終合格発表が8月20日となっています。(8月20日に受験者全員に試験結果通知書を発送)
下期は8月2日に受験案内が配布され、申込受付期間が8月16日から9月2日までとなっていますので、上期の最終合格の結果を待ったとしても、下期の申し込みが間に合うスケジュールとなっているわけです。
年々、受験方法は変更されてきています。また、今後は、現在導入が検討されているCBT試験への変更も見込まれるところです。
ここまで、受験者動向と実施方法変更後の受験スケジュールを解説しましたが、変更内容は、受験者にとってより受験しやすい環境への変更ですので、最短で合格を目指す方は上期に受験をし、万一の場合に下期試験を申込むといったように、変更内容をうまく活用して合格を手にしたいものです。
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